書評「宗教神秘主義 ヨーガの思想と心理」- ヨガ・スートラに疑問を感じた方へおすすめ!-
ヨガのゴール=サマーディではあるけど、サマーディとはどんな状態なの?
そもそもヨガのことを調べていけばいくほど、スピリチュアルに寄っている…
ヨガ・スートラは胡散臭い!と感じた時に読むと「こう書かれたのはこの時代背景があったからか」というのが納得できると思います。
宗教神秘主義 ヨーガの思想と心理 岸本英夫著
【あらすじ】
宗教と神秘主義の関連性、また宗教神秘主義の中に含有される神秘体験、神秘思想、神秘修行とは何を意味するのか、
をなるべく公平な立場から記しています。
神秘主義とヨガの関係を、ヨガスートラを紐解きながら明らかにしていきます。
【見どころ】
ヨガ・スートラの矛盾を、編纂(記載された)当時の背景を交えながら説いています。
また、神秘体験を西洋・東洋から取り上げ、共通項をまとめています。
言葉は違えど、西洋・東洋で同じ体験をしていることがわかるかと思います。
【感想】
タイトルだけで十分胡散臭そうですが、内容は至って公平です。
ヨガをしている身で、特にスピリチュアルに縁遠い人は「サマーディとは何ぞや?」状態だと思います。
この本では「こういう状態のことをサマーディと言っていますよ」というのがざっくり理解できると思います。
またヨガ・スートラの矛盾や言葉の定義の違い等に触れているのも面白いです。
ヨガ・スートラの注釈書では「ヨガ・スートラを正なるもの」としているため、
ツッコミどころがたくさんあっても「それは信じてください!」というスタンスの書物が多いかと思います。
この本はそんな部分に対して「おかしいんじゃない?」と切り込んでくれます。
ヨガ・スートラを読んで疑問を感じた方は是非お読みください。
この本は内在する矛盾に関して比較的公平に記載しているものと思われます。
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